コラージュ、ブリコラージュの手法で作品発表を行なうアーティスト村橋貴博（guse ars）による作品集『DOROTHY』（ELVIS PRESS）の刊行を記念した展覧会の巡回展を開催致します。

DOROTHY（ドロシー）と名づけた平面と立体の人形のような、神様のような、未来の生物のような一連のオブジェクト。本展は、作品集に収録したドロシーのコラージュ・彫刻作品に新作も多数加えた、鹿児島では初めての展覧会となります。

タイトルのDOROTHYという言葉は、doll（人形）の語源となったとも言われ、ギリシャ語のdorothea（doron「贈り物」+ theos「神」）がその由来です。なんでもなかった形が何かの拍子に人形のように見えてくるその瞬間は、正に「神の贈り物」のようです。今回表現したどこかの種族の工芸品、超古代のオーパーツ、はたまた未来の生物のような一連の作品をその言葉を借りてドロシーと名づけました。平面と立体で生まれたドロシーは、どちらが実在しているのか、またはどちらも実在していないのか、フィクションとリアリティの狭間を往来するような不可思議な存在です。

印刷物として作品集に収録されたドロシーと実在する作品としてのドロシーを合わせて見る機会は、この作品が意図することをより深く感じせてくれると思います。